「小杉武久の2019」のご案内
「小杉武久の2019」開催のご案内
2018年10月に御逝去なされた音楽家・小杉武久氏のイベントが開催されます。
記録映像では浜崎も一部出演しておりますので、是非御覧ください。
小杉武久の2019
Ⅰ コンサート「for KOSUGI」 (於 HALL EGG FARM)
Ⅱ 小杉武久サウンド・インスタレーション展+映像上映 (於 HALL EGG FARM)
Ⅲ 小杉武久 ドローイングス&プリンツ (於 360°﹇JINGUMAE﹈)
Ⅳ 上映会「小杉武久の音楽と実験映画」+トーク (於 UPLINK渋谷)
小杉さんの演奏を聴くことは、そもそも叶わないことだった。
ぼくらに可能だったのは、音を発見しようとしているその姿を目撃するまで、でした。
ぼくらも迎えにゆかなければ、その音たちは聴こえない。
なにごとも固定化させないのが小杉さんの流儀だったとすれば、いよいよすべてが無形のものとなった。
音がそこにあることを示すには、いくぶん好都合になったにちがいなく、
ぼくらの試みのみが待たれている。とも言える条件が整ってしまった。
小杉さんのあたらしい1年目がしずかに始まっていました。
│二〇一九年六月 海にて 佐々木暁
小杉武久 KOSUGI Takehisa
1938年東京生まれ。東京芸術大学音楽学部楽理科卒。大学在学中の1960年、刀根康尚、塩見允枝子らと日本で最初の集団即興演奏のためのグループ「グループ・音楽」を結成。60年代初めには、アメリカの前衛芸術家集団「フルクサス」によって、イヴェント作品が欧米に紹介される。1965‐67年ニューヨークに滞在し、ナム・ジュン・パイクらとミクスド・メディアによるパフォーマンスを行うとともに、自作コンサートを開催。1969年「タージ・マハル旅行団」を結成し、国内外の様々な場所でインターメディアによる集団即興演奏を試みる。1977年のアメリカ移住以来、マース・カニングハム舞踊団の専属作曲家/演奏家として、ジョン・ケージ、デヴィッド・テュードアらと活動し、1995年から同舞踊団が解散する2011年まで音楽監督を務めた。またその間、個人としても世界各地の芸術祭や展覧会に数多く参加。1994年、長年に亘る現代音楽への貢献によって、第2回「ジョン・ケージ・アワード・フォー・ミュージック賞」を受賞。2008年「横浜トリエンナーレ2008」に展示と演奏で参
加。2015年に個展(アイコン・ギャラリー、バーミンガム)、同年、ホイットニー美術館で2日間の自作コンサート、2016年「あいちトリエンナーレ 2016」に展示と演奏で参加。2017年には、個展「音楽のピクニック」(芦屋市立美術博物館)が開催されるなど、2018年10月12日に他界するまで、常に現代芸術の最先端で活躍をし続けていた。
EYE EYE
神戸生まれ。1980年自室にて音楽活動を開始。1983年「HANATARASH」結成、クレーン車等を使用したパフォーマンス・アートを行う。1986年「ボアダムズ」結成、ライヴ公演、CD制作などを行う。1991年ソニック・ユースに招かれ、ボアダムズ初のアメリカ・ツアー。以後、欧米やオーストラリアで頻繁にツアーを行うとともに、ナム・ジュン・パイク、小杉武久らと共演。個人としてもジョン・ゾーン、大友良英と共演。2007年にNYにて77台、2008年にはLAで88台のドラムによるライヴをボアダムズで行う。また大竹伸朗とのコラボレーションをはじめ、NY、オーストラリア、東京、京都などでのアートエキシビジョン、BECKのCDジャケット制作、10年以上にわたるDJ等、多彩な活動を続けている。
和泉希洋志 IZUMI Kiyoshi
1968年香川県生まれ。日常生活にある五感をテーマに、音やイメージなどを自在にリミックスし作品を編み上げるアーティスト。主にサンプリング・メソッドによる絵画、立体、映像、洋服、料理などを制作。1990年初個展。以後数々の展覧会やパフォーマンスに参加。一方で音響・音楽に関わる活動を行い、多くの国内外の音楽家と共演。1997年英国のレーベル(リフレックス)よりCDデビューを皮切りに、2000年、2004年、2016年にソロアルバムをリリース、aSymMedley名義で2011年、MIRAIGAMILL名義で2019年にアルバムをリリース。その他コンピレーションに多数参加、リミックスも行う。“SOMA”を拠点に食の提示、ギャラリーの運営、2015年には音楽レーベルbitSOMAを始動。
高橋悠治 TAKAHASHI Yuji
1938年東京生まれ。柴田南雄、小倉朗に作曲を学ぶ。1960年現代音楽のピアニストとしてデビュー。1963年当時の西ベルリン市でヤニス・クセナキスに師事し、ヨーロッパ各地で演奏する。1966年にはニューヨークに渡り、コンピューターによる作曲を研究する一方、欧米各地で演奏。1972年の帰国後にバッハやサティを録音。1974年には武満徴、一柳慧らと作曲家のグループ「トランソニック」を結成、1976年まで季刊誌「トランソニック」を編集。1980年「水牛楽団」を組織し、市民集会で演奏し、月刊「水牛通信」を発行。80年代からはピアノとコンピューターによるフリーの即興で多くのミュージシャンやダンサーと協演。90年代から和楽器と声のための作品を多数発表。2012年から声、バリトン・サックス、ピアノのユニット「風ぐるま」で、バロックと新作の公演を続けている。
Ⅰ. コンサート「for KOSUGI」
2019年9月1日㊐ 15:30開演(15:00開場) ※終演後パーティーあり
於 HALL EGG FARM
出演 EYE、和泉希洋志、高橋悠治
*料金 コンサート+1ドリンク=2,500円(当日3,000円)
コンサート+1ドリンク+パーティー参加=3,000円(当日3,500円)
*予約 Tel 090-5584-3104(サイトウ)、Fax 048-585- 6687、E-mail spacewho@hall-eggfarm.com
コンサート「for KOSUGI」では、1950年代から小杉武久と親交を続けてきた作曲家・ピアニストである高橋悠治、そして、1990年代以降から多くのコンサートで共演を重ねてきたEYEと和泉希洋志による小杉の代表作の演奏に加え、高橋とEYEによる追悼のための新作初演なども予定しています。
Ⅱ. 小杉武久サウンド・インスタレーション展+映像上映
2019年9月1日㊐~ 7日㊏ ※映像上映は2日から
於 HALL EGG FARM
[展示]11:00~17:00(無料) [映像上映]15:00~(無料)
1980年代以降の小杉武久は、内外の美術館やアート・フェスティバルなどでオーディオ・ビジュアル作品の発表を活発に続けてきました。本展では代表的なサウンド・インスタレーション作品の展示と、2009年に国立国際美術館で行われた高橋悠治とのコンサートの記録映像などを上映します。
HALL EGG FARM
〒369-0212 埼玉県深谷市櫛挽140-1
Tel 048-585- 6685(サイトウ)
http://hall-eggfarm.com/access.html
*車=関越自動車道花園IC下車→約15分
*電車=JR高崎線深谷駅下車→タクシー約15分
*バス(事前予約型)=深谷市コミュニティバスくるリン[予約専用電話=048-577- 6660(9時~17時)予約方法はウェブサイトにてご確認ください]
JR高崎線岡部駅前から乗車→おかべデマンドバス停「カフェ・ルコック i n エッグ・ファーム」下車
http://www.city.fukaya.saitama.jp/kurashi/kurashi/doro_koen_kotsu/bus_kururin/1424934013507.html
*コンサート送迎(予約制)=JR高崎線深谷駅から会場まで[深谷駅13:35/14:35着(湘南新宿ライン)に対応します。電話090-5584-3104(サイトウ)]
Ⅲ. 小杉武久 ドローイングス&プリンツ
2019年9月1日㊐~ 9月14日㊏ 12:00~18:00(会期中無休、無料)
於 360°[ JINGUMAE]
小杉武久は自身の作品のコンセプト、あるいは、演奏や展示のプラン、システムなどをドローイングによって提示することがありました。彼のドローイングには彼独自の音楽観が凝縮されているとも言えます。本展では、彼の主要なドローイングと共に、プリントやマルチプル作品も展示します。
360°[ JINGUMAE]
〒150-0001 渋谷区神宮前3-1-24 ソフトタウン青山1F
Tel 0 3-5410-2350
http://www.360.co.jp/about/
Ⅳ. 上映会「小杉武久の音楽と実験映画」+トーク
2019年9月7日㊏
於 UPLINK渋谷
*料金 1プログラム 1,500円(アップリンク会員1,300円)
*チケット UPLINK渋谷ウェブサイト(クレジット決済のみ)および、劇場窓口(現金のみ)にてチケット販売中
https://shibuya.uplink.co.jp/
[プログラム1] 18:00~ ※いずれも音楽は小杉武久
北村皆雄監督「白い影への対話」(1964) 美術 松目正毅、ハイレッド・センター
北村皆雄監督「神屋原の馬」(1969)
康 浩郎監督「オープン・スペースを求めて」(1970)
トーク 北村皆雄監督(聞き手 川崎弘二)
[プログラム2] 20:00~
小杉武久コンサート「Music a nd B eyond」国立国際美術館 記録映像(2009)
小杉武久コンサート「Music E xpanded # 2」あいちトリエンナーレ 記録映像(2016)
近年発掘された、ハイレッド・センターによるオブジェが随所に登場する映画「白い影への対話」は小杉の先鋭的な音響によって彩られており、トークでは北村皆雄監督に当時の前衛芸術シーンについてお話しをお伺いします。なお「Music E xpanded # 2」は小杉の最後となったコンサートの記録です。
UPLINK渋谷
〒150-0042 東京都渋谷区宇田川町37-18 トツネビル1階
Tel 03- 6825-5503
https://shibuya.uplink.co.jp/map
主催 HALL EGG FARM / GALLERY 360°
企画 HEAR sound art library
プログラムIV 上映会 共同企画 UPLINK渋谷
協力 ヒカリ美術館、川崎弘二、高嶋清俊、ニシジマ・アツシ、南隆雄、村井啓哲
デザイン・序文 佐々木暁_